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ヘルスケア2020.10.06

【健康Q&A 妊産婦歯科】妊娠中の歯の健康や子どものために気をつけたいこと

妊娠、出産、子供の病気…その都度悩みがたくさん出てくると思います。そんな気になる悩みを各診療科の先生にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「健康相談室」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

 

ご相談内容
妊娠中の歯の健康や子どものために 気をつけたいことを教えてください。

 

妊娠期は身体と環境の変化で、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。進行した歯周病が早産や低体重児出産と関係性があることや、虫歯・歯周病菌が、母子感染することはご存じかと思います。子どものために最も自分の口の中に関心を持つと考えられる、この時期に検診を受け、親から子へ、良好な歯の環境をバトンリレーしてください。

 

つわりで歯磨きが辛いのですが、どうしたらよいですか?
食後にこだわらず、体調の良いときに、歯ブラシはヘッドの小さ目の物を使用し、顔を下に向けて奥の歯から前にかき出すように磨いてみてください。洗口剤や緑茶によるブクブクうがいも効果的です。嘔吐の後は、30分程歯ブラシは控えてください。胃液の影響で歯の摩耗をひき起こしやすいので、直後は水などでのうがいだけにとめてください。

 

治療を受ける適切な時期はいつですか?
原則的に歯科治療を受けていけない時期はありません。初期は赤ちゃんの主な器官が形成され、つわりがありますし、後期は、お腹が大きくなることで、仰向けでの歯科治療は、辛くなります。出産後は、育児で忙しく、自分の時間を取ることが難しくなります。よって安定期である5~8カ月の時期が最も適しています。
虫歯、歯石の除去といった、一般的な歯科治療は問題なく受けることができます。治療期間を必要とする場合もありますので、早めに受診して出産時期に合わせた治療プランを立ててもらうとよいでしょう。

 

レントゲン、麻酔、薬は、お腹の子に悪影響がありませんか?
まず、歯科で用いるレントゲンは、お腹の子に直接X線があたることはありませんし、防護用のエプロンを使用しての撮影ですので、影響はゼロに等しいです。
次に、歯科で一般的に使用される麻酔は、使用量が少なく、注射をした部分で分解されてしまうため、問題ありません。むしろ、痛みを我慢するストレスの方が、お母様の身体、お腹の子に影響を与えます。
最後に薬ですが、症状が母親、お腹の子に悪影響を及ぼす可能性があれば、服用して治療をする必要があります。妊娠中、授乳中において、安全性の高い薬を選択してもらってください。

 

子どもの歯を丈夫にするにはどうしたらよいですか?
乳歯の芽は妊娠7週目くらいから、最も早く生える永久歯の芽は妊娠3カ月の頃につくられ成長していきます。可能であれば、お母様はこの時期から歯の形成に必要なタンパク質、カルシウム、リン、ビタミンA・C・Dを多く含む食品をバランスよく食べるように心がけてください。

 

キシリトールガムはお腹の赤ちゃんに影響しますか?
妊娠中から産後7カ月頃までの1年間、1日3~5回(食後が望ましい)に分けて5~10g摂取すると、赤ちゃんへの虫歯菌の感染率が著しく低くなるという報告があります。
キシリトールはカリフラワーやほうれん草に多く含まれる天然成分です。ガムは50%以上含むものを選択してください。唾液の分泌を促し、虫歯の抑制効果があります。

 

子どもが虫歯にならないようにするには、どうしたらよいですか?
生まれてくる子どもの口の中には、虫歯菌や歯周病菌はいません。母親をはじめとする保育者の唾液を介して感染するといわれています。お母様はお子様の歯の生える産後7~8カ月頃までに歯科治療を終えておくことが適切です。
虫歯菌がお子様に最も感染する時期は、1歳7カ月から2歳7カ月までといわれ、この時期は特に注意が必要です。それまでに、規則正しい間食の時間、内容を習慣づけてください。また、虫歯は口の中がpH5・4以下でなりやすいことが知られていますが、pH3・6~4・6と低い、イオン飲料の継続摂取は注意が必要です。

(2013冬vol.47号掲載)

吉江歯科クリニック院長 吉江 正隆先生

神奈川歯科大学卒業。
昭和大学高齢者歯科学教室に所属。
開業医勤務を経て、平成24年より現職。
日本補綴学会、日本老年歯科医学会、日本口腔インプラント学会会員。

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