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ヘルスケア2021.04.20

【健康Q&A 小児歯科】仕上げ磨き

妊娠、出産、子供の病気…その都度悩みがたくさん出てくると思います。そんな気になる悩みを産婦人科・小児科・小児歯科の各先生方にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「健康相談室」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

 

ご相談内容
自分で歯を磨くようになり、親が仕上げ磨きをするのを嫌がるようになりました。いつ頃まで親が仕上げ磨きをした方がいいのでしょうか。

 

仕上げ磨きが必要な年齢のめやす
一言で言うなら、小学校2~3年生頃までは仕上げ磨きが必要かと思います。個人差もあるので以下のことを考えて、判断してみてはいかがでしょうか。

手指機能の発達から考えて
子どもの手指機能の発達を考えると、当然小さい時から上手に磨けるわけがありませんし、たとえ歯磨きの練習をしても、年齢相応の磨き方しかできません。ある程度磨けそうになる年齢は9~10歳ぐらいでしょうか。
歯の生え具合からみて
乳歯列期においては親の仕上げ磨きが必要ですが、永久歯が生え始める時期はどうでしょう。虫歯になりやすいのは、歯が生え始めた時期です。特に6歳臼歯(6歳頃乳歯の奥歯の後方に生える)は、磨きにくいし生えたことすら認識していない人もいるので、虫歯が早い時期にできてしまうこともあります。また、上下の前歯の歯茎付近は歯垢がたまりやすく、虫歯や歯肉炎をおこしやすい時期でもあります。犬歯や小臼歯が生える頃(9~12歳)は、それぞれの歯の高さなどが不揃いで上手に磨けません。要するに、子ども本人だけでは十分に磨けないところを、親が補助するかどうかです。
子どもの自立(自主性)を尊重
12歳臼歯は第二大臼歯といって、小学校高学年から中学校にかけて生える歯です。この時期最も虫歯になりやすいあぶない歯です。だからといって親が磨きますか? 自分の健康は自分で考えて自分で管理していくことを考えると、親がいつまでも関わるわけにはいきません。もっとも、子どもの方が親から離れていきますが。

 

歯磨きトレーニングを
大人でも毎日磨いているお口の中がきれいに、しかも磨き残しなくブラッシングができたか、自分では十分に確認できません。そこで、たまに歯医者さんで歯磨き指導を受け、チェックしてもらうことが必要です。ましてや、手指の機能が発達途中の子どもの場合は、発達に応じた、また、歯の生え具合に見合ったブラッシング指導が必要ですし、トレーニングにより、もっと確実にしかも年齢相応に磨けるようにならなくてはいけません。磨けないから親が補助するのではなく、トレーニング次第では、本人だけで上手に磨けるところが増えるかもしれません。
子どもが一人で磨くにしても親が補助するにしても、歯磨き習慣ができていなければだめです。最初は嫌がって大変かもしれませんが、工夫をして歯磨きの習慣をつけましょう。そのためには、磨くことの大切さをそれなりの年齢に応じて理解させましょう。

 

仕上げ磨きを嫌がる時は
大切なのは歯磨き時の雰囲気作りです。例えばご両親の膝の上で仰向けに寝てもらい、おしゃべりしながら、また歌でも歌いながら磨いたり、ご兄弟、お父さん、お母さんも皆一緒の歯磨きタイムを設けたりしてもよいでしょう。
それでも嫌がる時は、多少強引にやってもよいのではないでしょうか。そのうちに、歯磨きは一日の生活の中でとても大切なものとわかってくれる日が必ず来るはずです。でも、強引にやるにしても、何が何でも必死にやらなければならない場合もあるでしょうが、たかが虫歯というくらいの気持ちのゆとりは必要ですよ。
親の歯磨きの技術があまりに下手な場合(痛いなど)も、子どもが嫌がる理由になっていることがありますから、歯ブラシの使い方、歯磨きの仕方については、十分に注意が必要です。よくわからない場合は、歯医者さんで相談されてもよいでしょう。

(2016春vol.56号掲載)

城川歯科医院院長 城川 和夫先生

1982年、日本大学歯学部大学院卒業(小児歯科学専攻)。その後富山市にて開業。
日本小児歯科学会地方会理事、日本学校歯科医会理事を歴任、現在富山県歯科医師会副会長、富山県学校保健会副会長。

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