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ヘルスケア2021.01.19

【健康Q&A 小児科】子どもの薬

妊娠、出産、子供の病気…その都度悩みがたくさん出てくると思います。そんな気になる悩みを各診療科の先生にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「健康相談室」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

 

ご相談内容
子どもの薬について教えてください。

 

「水薬にしますか、粉薬にしますか」と聞かれますが、どちらが良いのでしょうか?
お薬の種類(水薬、粉薬)として、お子さんがどちらの薬のほうがより飲んでくれるか(飲ませやすいか)という点についてお母さんにお尋ねしています。すべてのお薬について水薬と粉薬があるわけではありませんが、咳止め、鼻水止めなどのお薬については、水薬と粉薬の両方が用意されていることが多いです。
基本的な薬の効果という面では、水薬と粉薬ではほとんど同じと考えてくださって構いません。お子さんの好みに合わせて処方してもらえば良いでしょう。
細菌に対して有用な抗生物質や多くの粉薬は、苦みを和らげる目的でドライシロップという、いわゆる苦い薬に対して甘みのあるもので包んだ状態となっています。そのまま内服していただいても、ジュースなどに混ぜていただいても結構です。
ただし薬や混ぜるジュースの種類によって、苦みが増強する組み合わせもあり注意が必要です。
また甘みのあるもので包んであるので、薬を早めに溶かしてしまった場合や口内に少し残ってしまった場合には後味が苦くなることもあります。その場合には、練乳やココアなどのお子さんが通常好まれるものを与えてみてください。
その他、錠剤、カプセルなどがあります。小学校高学年以上になると錠剤、カプセルも一部のお薬では処方可能です。主治医の先生と相談して、お子さんが少しでも内服しやすい形でお薬を処方してもらってください。

 

どうしても薬を飲まないのですが、代わりに坐薬や貼り薬などはありますか?
坐薬として使えるお薬は、内服薬と比べて種類は限られています。もっとも代表的な坐薬は解熱剤でしょう。
小児科で用いる解熱剤はアセトアミノフェンと呼ばれるもので比較的副作用も少なく安全です。
けいれん予防、けいれん止めの坐薬もあります。熱性けいれんを繰り返すお子さんには、効果的なお薬です。
その他、嘔吐などで薬が全く内服できない場合に吐き気止めの坐薬を一時的に使用します。
貼り薬は、成人の場合には筋肉痛・関節痛の薬としてよく知られていますが、小児の場合には気管支拡張薬の貼り薬があります。本来は喘息の発作(呼吸困難)を和らげるお薬ですが、夜間の咳込みの激しい気管支炎に使用すると症状が随分軽減されます。
製品の種類によっては、肌の露出部で使用すると日光皮膚炎を起こしやすいものもあり注意が必要です。

 

漢方薬は、小児にも有用ですか?
いわゆる西洋薬(通常のお薬)は、一口で言えば症状を鎮める・抑える・冷やす薬と言えます。
一方、漢方薬は体の潜在的に持っている力を引きだす薬、温める薬と言えば理解しやすいかと思います。体型、体質から虚症実症、あるいは陽症陰症と色分けして症状を判断し、患者さんを元気づける、活気を引き出させることを目標にしています。
西洋薬に比して、副作用が少ないことが利点と言われています。苦みがあるためすべてのお子さんが喜んで内服してくれない点が問題となります。
本来漢方薬は、薬用植物の根、茎、樹木の皮などを煎じて苦いのを我慢してふうふう言いながら飲むことで、更に薬の効果を高めています。
お子さんの場合には、甘みのある砂糖、蜂蜜(0歳児では不可)を加えた温湯を注いで苦みを抑えるのが良いとされています。
具体的には、風邪の始まりの寒気に対して葛根湯、胃腸虚弱で風邪を引きやすく長引く場合に小健中湯・補中益気湯という漢方薬が効果的です。
その他、吐き気、嘔吐などを繰り返すお子さん、冷え性・しもやけの出来やすいお子さんに対しても当院では漢方薬を処方し、劇的に改善した経験があります。内服がしづらい点もあり、ご両親、ご本人とよく話し合った上で治療の選択を広げることを目的に処方をしております。

(2014年冬vol.51号掲載。2020年web掲載にあたり一部修正)

清水小児科医院院長 清水 道郎先生

昭和34年、鳥取大学医学部卒業。昭和39年、金沢大学大学院医学研究科修了後、
加賀市民病院、昭和45年より済生会高岡病院の小児科医長を務め、昭和51年、清水小児科医院開院。 日本小児科学会小児科専門医。

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