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ヘルスケア2020.08.04

【健康Q&A 心療内科】産後うつ

妊娠、出産、子供の病気…その都度悩みがたくさん出てくると思います。そんな気になる悩みを各診療科の先生にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「健康相談室」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

 

ご相談内容
半年前に出産した妻が産後うつでは?と不安です。産後うつについて教えてください。

 

産後うつとは、一般的に出産から3カ月以内に発症し、数カ月~1年程度続くこともある、ココロの病気です。

産後1週間ほど、気持ちが滅入ったり不安定になる“マタニティブルー”とは違い、放っておくと重いうつ病になることもあります。

したがって、思い当たる症状がある方は心療内科や精神科を受診してください(チェックリスト参照)。

放っておくと症状がさらにひどくなったり、治りが遅くなることがあります。周囲の方もぜひ、注意深く様子をみてあげてください。

 

産後うつチェックリスト

□ 2週間以上、気分の落ち込みが続く。

□ これまで好きだったことや趣味にも興味がわかない。

□ 寝付きが悪い。夜中に何度も目がさめる。また、眠りが浅く熟眠感がない。

□ 特に午前中、体がだるくて仕方ない。夕方になると、少しラクになる。

□ ささいなことにもイライラする。

□ わけもなく涙が出たり、周囲から笑顔の少なさを指摘される。

□ 何事に対しても集中できない。

□ 冷静に、順序だてて物事を考える力が弱くなった。または、“何も考えたくない感じ”がする。

□ 食欲がわかない。無理に食べてみても、美味しいと感じられない。

□ なにかあるとすぐ、“自分のせいでこうなったんだ・・・”と自分を責める。

□ 自分は母親失格だと思う。

□ 子どもを産まなければよかった、と思ってしまう。

□ ふいに、死にたい気持ちにおそわれる。

□ 妊娠・出産前と比べて、身なりに気を使わなくなった(化粧、入浴、着替えなどが面倒くさい)。

□ 子どもを“かわいい”と思えない。愛情がわいてこない。

5個以上当てはまる方…産後うつになっている可能性あり。
10個以上当てはまる方…重い産後うつのおそれがあるので、早めに心療内科や精神科に相談を。

 

産後うつの予防法
次のようなことが産後うつの 予防につながります。

誰かに頼る(お互いの親、親戚、公共サービス、育児サークルなど)。

いつでも100パーセントの育児を目指さない、求めない(家族そろって今日一日無事に過ごせたら、それで十分)。

人と会話する。話を聞いてもらう(自分の育児の仕方が、そんなに大きく間違ってないことに気付けるはず)。

ときどき、“ママ”でいることを忘れてリフレッシュする。

 

パパ(男性)に気をつけてほしいこと
“出産”というライフイベントは、男性(パパ)にとっても大きな環境の変化であり、心身の不調につながることがあります。

その原因として、「父親になる」ことへのとまどい、こころの準備不足、「妻子を養わなければならない」という気負い、「育児協力しなければ」というプレッシャーなどがあげられます。

母親同様、最初から理想的で完璧な父親はいません。奥さんや他の家族とも話し合いながら、あせらずに育児に取り組みましょう。

 

パパ(男性)にお願いしたいこと
赤ちゃんばかりを主役にしない…
妻への感謝やねぎらいの言葉を忘れずに。また、当たり前のことですが、励ましは逆効果。

きちんと話を聞いてあげる…
ただの愚痴であっても、できるだけの“共感”を示すことが大切。

夫婦二人だけだった時と同じことは求めない…
ホルモンなどの影響で女性は“オンナ”モードからすっかり“母親”モードになる時期があることを理解してください。

(2015冬vol.55号掲載)

みさきクリニック院長 三崎 信子先生

平成元年3月、川崎医科大学卒業。富山医科薬科大学(現・富山大学)精神神経科、新潟大学精神科などを経て、平成12年、みさきクリニック開業。富山県精神保健指定医。

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