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育児2020.07.16

【Baby Q&A】スマホの画面は子どもに影響する?

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
乳幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

悩み ● 1歳10カ月児のママより
外出時、子どもにスマホを見せて落ち着かせることがあります。発達への影響はありますか。

 

映像がもつ力
1~2歳頃の子どもは、周囲の環境に興味津々。目に映るものすべてに刺激され、落ち着きなく動いたり、触ってみたりする姿がみられます。また、イヤイヤ期ゆえのぐずりも最高潮!外出先などで、困り果てることもしばしばですね。そんなとき、瞬時に子どもの興味をひきつけて集中させるスマホ映像は、親にとって大変役立つツールとなります。
アプリの映像が、まだ幼い子どもの興味をひきつけるのは、子どもが好む内容であること以上に、映像そのものの力によると思います。幼い子どもは画像の変化(動き)に視線を奪われやすく、変化しつづけるものから視線をはずしにくい特徴があります。映像をじっと見ているからといって、「大好き」なわけではないと心に留めておきましょう。繰り返し求める姿も、それだけ刺激が強いとも考えられます。親が、適当な時間でスマホ利用を切りあげることが重要ですし、あくまでピンチを救う方法として、安易に利用しないことも大切です。

発達への影響は?
スマホの普及は最近のことですから、確かな研究結果はありませんが、ビデオ視聴などと同様、長時間利用した場合に、発達への影響が懸念されると考えます。画像を長時間見つめることによる視力への影響や、直接の体験・コミュニケーションが減ることによる言葉や社会性の発達への影響が、日本小児科学会などからも発表されています。短時間のスマホ利用程度であれば、発達への影響を、それほど心配することはないでしょう。
ただし、1~2歳児の子どもにとって、大人とのやりとりが、その後の発達に大きく影響することは間違いありません。言葉はもちろん、他の人と心を通わせるコミュニケーション能力は、この時期、大人が子どもと一緒に行動し、子どもの行動や気持ちを言葉にしてあげることで、少しずつ育まれていくのです。また、興奮した気持ちをクールダウンし、切り替えを図る感情コントロール力も、大人のなだめや励まし等によって育っていきます。つまり、1~2歳児の発達は、大人が、子どもの様子を見ながら行う“直接的で応答的な関わり„に支えられるのです。歌や絵本、おもちゃなどを通した親子間のやりとりの重要性を考えれば、スマホに頼りすぎることは、子どもの発達上、避けなければならないことだといえます。

“ほどほど„を心得る
親子間でゆったりと関わることの大切さは誰もが知っています。けれども、それを、いつでも100%実現できるわけではありません。時には、スマホの力を利用したほうがいいこともあると思います。
私自身の育児の経験からも、理想(例えば手作り離乳食)にこだわりすぎると、自分の心に余裕がなくなり、かえって子どもにうまく関われないことがありました。これでは、本末転倒ですよね。
3歳頃までのお子さんには、“人と一緒が楽しい„という気持ちを育て、相手の反応を楽しむ姿を育むことが大切です。そのためには、親子間の緊張を救うお助けグッズとしてのスマホを、ほどほどに利用するのがよいのだと思います。

(2014秋vol.50号掲載)

石動 瑞代先生

富山短期大学 幼児教育学科教授
お茶の水女子大学家政学部児童学科を卒業後、富山県職員として児童相談所、保育専門学院等の勤務を経て、平成17年4月、富山短大幼児教育学科講師、平成20年4月、准教授、平成25年4月、現職。平成21年、日本大学大学院人間科学修士取得。
●専門分野 児童学・保育学
●担当授業 保育原理・乳児保育

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