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育児2021.05.11

【kids Q&A】子どもの自主性

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

お悩み ● 2歳・4歳・6歳児のパパより
子どもの自主性を育てたいと思いつつも、つい先回りをしたりせかしたりしてしまいます。もっと見守るべきなのでしょうか?

 

自主性、主体性
「自主性」は「他人の干渉や保護を受けず、自分から進んで行動するさま」です。でも、子どもは適切な大人のかかわりがなければ育つことができません。自主的にやらせておくだけでは、「放任」になってしまうので、親心で先回りしたりせかしたりする気持ちはよくわかります。
実は「自主性」に似た言葉で、「主体性」という言葉があります。主体性は、「自分の意思・判断によって行動するさま※」です。先回りしたりせかしたりすると、「どうせパパがやってくれる」、「うるさく言われるからやる」というように、自分で考えなくなってしまいます。つまり、主体性が育たなくなるのが問題と言えるのではないでしょうか。
※三省堂大辞林より

見守るとは何か
「見守る」と「放任」は違います。「見守る」はただ何もしないで見ている、待っているだけではなく、丁寧に子どもの様子を観察して、大人が適切なかかわりをすることなのです。
また、見守るときには、表面的な「できている、できていない」などの結果だけ評価するのではなく、子どもの取り組みのプロセスをよくとらえ、タイミングよくかかわっていくことが必要になります。
さらに、目に見えにくい心を読み取り受け止めることが大切です。見守ってくれる大人がいるという安心感があるからこそ、子どもは自分から前に進む勇気を持つことができます。

発達年齢に合わせて
発達年齢によってかかわり方も変わります。2歳はイヤイヤ期とも言われ、なんでも自分でやってみたい時期です。この時に、先回りして何でもやってしまうと、自分は一人の自我をもった存在として認めてもらっていないと感じます。できるだけ「自分で」を受け止め、どうしてもできないところだけ手伝います。4歳は少しずつ自分と周りの違いを意識し始めます。そんな時に、周りと比べてできていないところを指摘すると、落ち込んでしまいます。じっくりと自分の好きなことに没頭して遊ぶ時間を保証したいものです。5、6歳は他の人への優しさや思いやりが見られたときを見逃さず、その子のよさとして認めていくと、生き生きとする姿が見られると思います。

経験の中身を大切に
子どもは自分で育つ力を持っていますが、その力を発揮するためには、「自分にもできそうという自信」と「ああすればいいんだという見通し」がポイントとなります。
自信をもつためには、成功体験の積み重ねが重要です。小さい失敗や挫折・葛藤を乗り越え自分なりに最後までやってみたという経験が大切です。先回りして大人が全部やってしまうとこの経験ができないのです。
また、見通しをもつためには、モデルとなる存在が必要です。親子や兄弟で様々なことにチャレンジする中で、「パパ(お兄ちゃん)ってこんなこともできるんだ、すごい」と思う機会も増えるでしょう。子どもの成長を親が実感する機会にもなります。
種をまき、土(環境)を整え適切に水や栄養を与え、後は子どもの育つ力を信じて芽が出るのを待つ、そんな心でどっしりと構えられればと思います。

(2015冬vol.55号掲載)

開 仁志先生

金沢星稜大学 人間科学部こども学科教授
小学校、幼稚園、富山短期大学、富山国際大学教員を経て現職。富山大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。南砺市在住。
●専門分野 保育学(保育者養成)
●担当授業 保育者論、幼児教育実習

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