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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

育児
2020.06.16

【Baby Q&A】箸を使うのは何歳から?

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
乳幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

悩み ● 2歳児のママより
同じ年齢の子が箸を使い始めたと聞きましたが、わが子は全く関心を示しません。箸は何歳から持たせるとよいのでしょうか?

 

年齢よりもタイミング
乳幼児期は、日々”できること”が増えていく時期ですが、個人差が大きい時期でもあります。「〇歳頃に~ができる」という目安は、確かな成長を確認できる便利な”ものさし”であると同時に不安や焦りの原因にもなります。
できるだけ目に見えるお子さんの様子を手がかりに、「今が□□を獲得するタイミングだ!」と判断することをおすすめします。
では、箸を持たせる時期を教えてくれるお子さんのサインについて考えてみましょう。

食べる動作の発達
最初は手づかみで食べていた子どもも、周囲の大人の様子を見て、次第にスプーンや箸を持って動かそうとします。しかし、”箸が使えるようになる”ためには、食べる動作の発達準備が整っている必要があります。
そのポイントは「道具」の持ち方と手首・指の動かし方の発達段階です。
①スプーンを上から握る(上手) 最初は、スプーンの上に手を載せ、そのままつかみます。手首を回さず、横向きのスプーンをそのまま口へ運ぶので、中味がこぼれてしまいます。
②スプーンを下から握る(下手) 自分でまたは持たせてもらってスプーンを下から握ると、手首を回して口に運ぶようになります。
③3本の指を使って持つ  握る段階から指を使って持つ段階に移り、手首・指先を動かしながら自由にスプーンを扱います。この状態が安定していることを手がかりとして、箸を持たせるとよいでしょう。

適度な失敗によって学ぶ
スプーンを使っての食事も、最初は”すくえない・こぼす”といった失敗の経験ばかりです。でも子どもは、適度な失敗の積み重ねによって、手首や指先の調整を身につけています。
つまり、①②③の段階をしっかりと子どものペースに合わせて経験することが大事なのです。
①の経験(上手持ち)が十分でなく②の下手持ちをさせる、③の持ち方が見られないのに箸を持たせると、必要以上に失敗が多くなり、結果的に誤った使い方を身につけてしまいます。

3本指のチカラ
生活動作の多くは、親指・人差し指・中指の3本を巧みに動かしながら行います。箸や鉛筆を扱うときはもちろん、つまむ・回すなどの動作も3本指が中心です。お絵かきなどの遊びや生活の中で、3本指をしっかりと使う経験があれば、箸づかいにも役立つでしょう。
指を使う動作が安定してくれば、あとは興味と意欲がポイントです。お気に入りの箸を購入して時々持たせてみること、さりげなく手を添えて過度な失敗にならないよう配慮すること、うまくできた点をほめることなどに取り組んでみてください。

(2014夏vol.49号掲載)

石動 瑞代先生

富山短期大学 幼児教育学科教授
お茶の水女子大学家政学部児童学科を卒業後、富山県職員として児童相談所、保育専門学院等の勤務を経て、平成17年4月、富山短大幼児教育学科講師、平成20年4月、准教授、平成25年4月、現職。平成21年、日本大学大学院人間科学修士取得。
●専門分野 児童学・保育学
●担当授業 保育原理・乳児保育