ヘルスケア 0〜2歳 3〜6歳 小学1〜3年 小学4〜6年

【第4回】歯科ミントクリニックの先生に聞く!大事な歯の話

この連載では毎月、歯科医師が歯の健康について分かりやすくお届けします。
毎日の子育てや妊娠生活の中で「知っておくと安心できること」「今だからこそ大切にしてほしいこと」などを学べる記事になっています。

今回は、夏場の熱中症対策における「ドリンク選び」の大切なポイントのお話です。

歯科ミントクリニック

院長 竹島 健太郎

2002年 鶴見大学歯学部卒業。2004年 横浜総合病院に非常勤歯科医師として勤務。

2007年 歯科アールクリニック勤務を経て、2010年に歯科ミントクリニックを開院。

インディアナ大学客員研究員。日本補綴歯科学会会員、日本臨床歯科学会会員(SJCD)、日本顕微鏡歯科学会会員。Er:YAGレーザー臨床研究会所属。

インビザラインライセンスドクター。臨床歯科麻酔管理指導医。そのほか、各種学会・研究会に所属。

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ママパパと子どもの体を守る夏場の「ドリンク選び」について
〜熱中症対策のスポーツドリンク、実は要注意!?〜

日差しが強くなり、いよいよ本格的な夏が近づいてきましたね。毎日、家事に育児に、そして暑さにも奮闘しているママパパさんたち、本当にお疲れさまです。

夏になると特に気になるのが、子どもやママパパ自身の熱中症対策ですよね。「しっかり水分補給をしなきゃ!」と、スポーツドリンクを常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。

しかし、私たち歯科医療の立場から、夏の水分補給についてぜひ知っておいていただきたい大切なポイントがあります。
今回は、良かれと思って選びがちなスポーツドリンクの落とし穴と、体に優しい夏の水分補給についてお話しします。

スポーツドリンクに潜む砂糖の罠

「体に良さそう」「効率よく水分補給ができそう」というイメージのあるスポーツドリンクですが、実はその多くにかなりの量の砂糖(糖分)が含まれています。

500mlのペットボトル1本には、スティックシュガー何本分もの砂糖が溶け込んでいることも珍しくありません。味覚が敏感な子どもにとって、この甘くて美味しい飲み物は大好物になりがちですが、ここに2つの大きなリスクが隠されています。


◆ 虫歯へのリスク
前回のコラムでもお話しした通り、口の中の健康は全身の健康へと繋がっています。
スポーツドリンクを水代わりにちょこちょこ飲み続けていると、口の中が常に「虫歯菌が大好きな酸性と糖分だらけの環境」になってしまいます。

特に小さな子どもの乳歯や、生えたばかりの永久歯はエナメル質が弱いため、スポーツドリンクの常用によって一気に虫歯が進行してしまうリスク(ペットボトル症候群とも呼ばれます)が高まります。


◆ 急激な糖分吸収とインスリンへの心配
夏の暑さで水分を欲している体は、吸収能力が非常に高くなっています。そこへ糖分がたっぷり入った液体を流し込むと、体に急激に糖分が吸収されてしまいます。

これにより血糖値が急上昇すると、体は血糖値を下げようとして「インスリン」というホルモンを大量に分泌します。これを日常的に繰り返していると、将来的な糖尿病のリスクや、自律神経の乱れ、だるさ、急激な眠気などを引き起こし、かえって体を疲れさせてしまう原因にもなりかねません。

熱中症予防、実は水やお茶で十分!

「汗をかいたら塩分やミネラルを補給しないと危険!」というフレーズをよく耳にするため、「水だけでは足りないのでは?」と不安になりますよね。
しかし、日常生活における一般的なお出かけや、公園での軽い水遊び程度であれば、熱中症予防の水分補給は水、あるいはお茶(麦茶など)で十分です。

私たちは普段の食事(3食のごはん・おやつ)から、生きるために必要な塩分やミネラルをきちんと摂取しています。そのため、大量に汗をかくような激しい運動を何時間も続けるような場面でなければ、あえて飲み物から大量の糖分や塩分を補う必要はないのです。

まずは「基本の水分補給は水かお茶」という習慣を、家族みんなで意識してみましょう。


よほどの暑さや汗の時はどうする?

とはいえ、35度を超えるような猛暑日のお出かけや、長時間外で遊んで驚くほど汗をかいたとき、あるいは「なんだか少し足がつる」「バテ気味かも」という “よほどのとき” もありますよね。

そんなときは、スポーツドリンクではなく、次のような選び方を試してみてください。

経口補水液(けいこうほすいえき)を活用する
スポーツドリンクに比べて糖分がかなり抑えられており、体に必要な塩分と水分が計算されたバランスで配合されています。薬のような感覚で、ここぞというときに飲用するのがおすすめです。

自家製「レモン塩水」を作ってみる
自宅で子どもと一緒に作れる、体に優しい特製ドリンクです。 ミネラルウォーターに、ほんの少しの塩と、味付けにレモン果汁をキュッと加えるだけ。糖分を含まないため(またはほんの少しのはちみつ等で風味付けする程度)、口にも体にも優しく、レモンのクエン酸効果ですっきりリフレッシュできますよ。

最後に

夏の子育ては、ただでさえ寝苦しかったり、寝冷えを心配したりと、ママパパの心も体も消耗しやすい時期です。

そんな中で「ジュースはダメ、スポーツドリンクもダメ……」と完璧主義になりすぎてしまうと、ママパパが疲れてしまいますよね。ついつい頼ってしまう日があっても大丈夫。罪悪感を持つ必要はありません。

大切なのは、「日常の水分補給」と「特別なときの水分補給」のメリハリをつけることです。 普段は水や麦茶をメインにして、口と体の健康を守りながら、この暑い夏を元気に笑顔で乗り切っていきましょう!

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