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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

ヘルスケア
2022.02.07

【健康Q&A 小児歯科】乳歯が抜けない

妊娠、出産、子供の病気…その都度悩みがたくさん出てくると思います。そんな気になる悩みを各科の先生方にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「健康相談室」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

 

ご相談内容
永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けません。放っておいていいものか、無理やりでも抜いたほうがいいのかどちらでしょうか。

 

永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けない場合について
小学校入学前後になると、下の前歯の裏側から永久歯が出てきているのになかなか生え変わらないことがよくあります。
下の前歯の生え変わりは、たいがいは永久歯が乳歯の内側の根っこを徐々にとかしながら、あたかもエスカレーターのように段々と上に上がってきて歯が生え変わります。その時、うまく乳歯の根っこをとかすことができない場合、乳歯の裏側から永久歯が生えてくるのです。
乳歯がぐらぐらしていてまだ永久歯が生えていない場合は、生え変わるまでそのまま放っておいても特に問題はありません。しかし、歯がぐらぐらして食事が取りづらい、あるいは話しにくいなどの場合は、レントゲンでその下の永久歯との位置関係を確認して抜歯したほうが良い場合もあります。また、今回の質問のように裏から永久歯が生えてきた場合は、乳歯が永久歯が生えるのを邪魔している可能性があるので抜歯したほうが良いでしょう。
一方、上の前歯の場合、エレベーターのように大抵は乳歯とほぼ同じ方向に永久歯も出てくるので乳歯の根っこはほぼ水平にとかされて生え変わりが起こります。そのため乳歯が残ったまま永久歯が裏から生えてくることは通常あまりありませんが、時には外側から生えたり変な位置から生えてくることがあります。いずれにせよ、乳歯から永久歯への生え変わりの段階で少しでもお母様が変だなと思われた場合、専門医にご相談ください。

 

家で抜くべきか歯医者さんで抜くべきか
明らかにぐらぐらで指で引っ張るとすぐに取れてしまいそうな場合は、お家でお母さん方が抜かれても大丈夫です。しかし、無理に家で抜こうとすると、特に下の前歯の生え変わりの時の乳歯の根っこはとても細くとかされている場合が少なくないので、根っこが折れてしまう場合があります。また、血が止まりにくいことなどがありますので、基本的には歯医者さんで診てもらった方が良いと思います。

 

小学校入学前後になると
前歯の生え変わりもそうですが、この時期は第一大臼歯(6歳臼歯)も生えてきます。
この歯が生えてくる途中は歯肉が一部覆っている状態になって、食べかすや歯垢がたまりやすくなり、こうした場合は早い段階で虫歯になったりします。また、歯ぐきが大きく腫れて痛がることもあります。この歯は溝が深いので、実はとても虫歯になりやすいのです。
お母さんの仕上げ磨きも大切ですが、歯ブラシの毛先が届かない歯の溝は歯医者さんでシーラントしてもらいましょう。
シーラントは、お薬で歯の溝を一層コーティングしてあげることで汚れが溝に入り込むのを防ぎます。虫歯にもなりにくくお母さんの負担も減るので、とても良い処置です。
シーラントとともにフッ素塗布も併用すると、さらに虫歯になりにくい丈夫な歯になります。
また、この時期になると乳歯の下に永久歯の卵(歯胚)もでき始めます。歯の生え変わりの異常と合わせて、歯の数の異常も将来の歯並びに大きく影響します。そのためにも虫歯の有無だけでなく歯並びを含めお口全体について日頃から専門医に診てもらっておかれた方が安心です

(2016冬vol.59号掲載)

あすなろ小児歯科医院歯科医 村本 知歌子先生

北海道医療大学卒業後、北海道大学病院にて研修。現在、あすなろ小児歯科勤務。
日本小児歯科学会、日本小児口腔外科学会、日本小児保健協会、日本子ども虐待防止歯科研究会所属。