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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

育児
2020.10.27

【kids Q&A】生意気な娘にかっとなってしまう

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

お悩み ● 5歳児・3歳児のママより
娘が口達者で生意気なためすぐかっとなって怒ってしまいます。弟の方がかわいく思えて…。
よくないとは思うのですがどうすればよいでしょうか。

 

理詰めで責めると逆効果
どうしても大人は、正しいことを言い聞かせなくてはいけないと思いがちです。でも、もう5歳なので何が正しいかある程度理解しています。わかっちゃいるけれどやりたくないのです。
そんな時、理詰めで責めても、口達者で頭が回れば回るほど、お母さんの言葉の揚げ足取りをするようになります。
例えば、「あなたの為なのよ」「絶対後で困るからちゃんとしなさい」などと言われても、お子さんもしたたかなものです。「私の為じゃなくて、お母さんがそうしてほしいだけでしょ」とお母さんの気持ちを見透かし、「私は自分でなんとかできるもん、困らないから、大丈夫」と気にしません。
これは、今までの経験を踏まえ、いろいろなことが見えてくるようになった成長の証でもあります。
ですが、お母さんも初めは冷静に話していても、最後には、「とにかく言うことを聞きなさい、早くして」などと一方的に伝えてしまうのではないでしょうか。すると、娘さんは「やっぱりお母さんって怒りっぽいんだから、普通にお話しできないわ」と思うだけで、よいコミュニケーションとはなりません。

「言う」より「聴く」
頭ごなしに言われると何か言い返したくなるのは、お母さんも一緒ではないでしょうか。そうなると売り言葉に買い言葉です。では、どうすればよいかというと、娘さんのお話を聴くことです。初めはただ真剣に聴くように心がけてください。すると、娘さんも、お母さんは話を聴いてくれるという認識をもちます。
一番いけないのは無視をすることです。弟さんにばかり関心があると伝わると、なおさら自分を見てほしくて、お母さんを怒らせるような態度をとるかもしれません。娘さんも本当はお母さんのことが大好きなのです。
そして、話を聴く中で、本当は何を言いたいのか、言葉の裏側に隠された思いを読み取るようにしてください。
例えば、娘さんが「リボンをつけていきたい」と言った時、「突然言われたってリボンなんてないわよ。前もって言ってくれないと」などと返すと、そこで、娘さんは心を閉ざしてしまいます。
「リボンをつけていきたいんだ」と受け止め、「どんなリボンがいいの?」と尋ねます。すると、「ピンクのリボン。だって、友達と明日みんなでリボンつける約束してきたもん」「友達と仲がいいんだね」「いいでしょ。私たち親友なんだよ」などと続けばうれしいですね。

一緒に生活を楽しむ
先の例のように、娘さんとの会話や生活を楽しむ感覚があればと思います。親が求める子どもらしさというのはありますが、3歳の弟さんのように素直になんでも親の言うことを聞く年齢ではなくなってきます。
なんでも母親の言うとおりになる娘よりも、成長するにつれ、まるでちょっと年の離れた姉妹(友達)のようになる関係って素敵ではありませんか。お母さんだって、時には疲れる時もあるけれど、娘さんと一緒になって愚痴を言ったり、恋の話をしたり、ショッピングに行ったり、楽しいのはこれからですよ。ぜひ、娘さんとハッピー人生を送ってください。

(2015春vol.52号掲載)

開 仁志先生

金沢星稜大学 人間科学部こども学科教授
小学校、幼稚園、富山短期大学、富山国際大学教員を経て現職。富山大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。南砺市在住。
●専門分野 保育学(保育者養成)
●担当授業 保育者論、幼児教育実習