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富山での子育てに役立つ
希望者増加中!無痛分娩のリアル

予定日が近づくにつれて強くなる、出産への不安や痛みへの恐怖。
ママなら誰しも感じたことがあるのではないでしょうか?
無痛分娩は「妊婦の痛みを和らげ、体力と心に余裕を生む」として、近年選択する人が増えています。
私も無痛分娩で第一子を出産しました。
今回は、実際に無痛分娩を選択した私の体験談を紹介します。
富山県の病院情報と合わせて、ぜひ参考にしてみてくださいね。
無痛分娩の体験記

無痛分娩を選択するまで
34歳の時、第一子を妊娠しました。嬉しい半面、右も左もわからずとても不安でした。
「出産=痛い、怖い」という思いが駆け巡ったのを覚えています。
恐怖心が強かった私は、近所の産婦人科で妊娠を確認したあと、出産方法や病院について調べ始めました。
もともと「無痛分娩」という方法があることは知っていましたが、
周囲に経験のあるママはおらず詳細は知りませんでした。
無痛分娩とは、硬膜外麻酔によって陣痛の痛みを和らげる方法です。
「無痛」という名称ですが、完全に痛みを取り除くわけではなく心身の負担を軽減するもので、
「和痛分娩」と表記している病院もあります。
調べてみると、出産時の体の負担が軽減できるだけでなく、
産後の回復が早くなる傾向があることがわかりました。
自由診療なので費用は少し高くなりますが、
私はお金より安心感を得ることを優先しました。
夫も反対することなく、納得してくれました。
病院探し
当時、私が住む自治体では、無痛分娩を導入している病院は2〜3件でした。
最初に行った病院は、ホームページに無痛分娩の記載がありましたが、医師が高齢のためやめてしまっていました。
結局、家から少し離れている他の病院での出産を決めました。
決め手は、全体の分娩件数のうちの4割が無痛分娩で実績があったこと、
ホームページにわかりやすく説明されていたことです。
無痛分娩は計画分娩のみ、経産婦のみなど、病院によって条件が異なりますが、その病院は陣痛が来てから病院に行くスタイルで、初産婦にも対応していました。
出産まで
予定日が近づいてくると、無痛分娩の流れや麻酔の仕方について説明があり、同意書にサインしました。
先生や助産師さんと話して驚いたのは、無痛分娩だからこそ、いきみなどの呼吸が重要だということ。
麻酔で痛みを感じにくいため、適切なタイミングでしっかり呼吸し、筋肉を動かすことが大切だそうです。
マタニティクラスに参加し、自分が呼吸をしやすい体勢や呼吸法を習い、家でもよく練習していました。
結果として予定日間近で切迫早産になったこと、お腹の赤ちゃんが大きめだったことから、子宮収縮薬(陣痛促進剤)を使い出産する「計画分娩」になりました。
一人の時に陣痛が起こるのが不安だったので、事前に入院できるのは安心でした。
入院した時点で子宮口は3cm開いており、子宮口を柔らかくする錠剤を1時間毎に飲みました。
だんだんお腹が張るようになってきて、ズキズキとした痛みも出てきました。
おしるしがあってから痛みは5分間隔ほどになりましたが、まだ生理痛程度です。
朝、夕方、夜と内診があり、その日はそのまま就寝しました。
いよいよ出産当日!一日の流れ

血圧測定や脈拍測定、検温、検尿などを行い、朝8時に分娩室へ移動しました。
分娩室でしっかり朝ごはんを食べられるほど、緊張や不安はありませんでした。
その後、麻酔による血圧低下を防ぐため点滴が始まりました。
破水してから徐々に陣痛が起こり、痛みが強くなってきたことを看護師さんに伝え、
13時頃に初めて麻酔をしました。
麻酔は、脊椎の間から硬膜外に向かって針を挿入し、くも膜下に麻酔薬を注入していきます。
硬膜外にカテーテルを挿入することで、麻酔が切れてきてもカテーテルを通して麻酔薬を入れることができます。
針を挿す痛みは、筋肉注射程度だったと思います。
麻酔は10~15分でゆっくりと効いてくるとのことでしたが、体感はもっと早かったです。
驚くほど陣痛の痛みが弱まり、とても安心感がありました。
麻酔が切れてくると当然痛みを感じ、耐えられない時は麻酔を追加してもらいました。
しかし、子宮口が開いてきても、赤ちゃんが下りてくる気配がありません・・・。
いきむタイミングがわかりにくいからと、途中から麻酔なしになり、どんどん陣痛が強くなります。
赤ちゃんを下ろそうと、助産師さんにお腹をぐーっと押されると涙が出るほど痛くてパニックになっていた私は、
「思っていた無痛分娩じゃない!」と苛立ちさえ感じてしまいました。
その後も赤ちゃんは下りてこず、予定より時間が経過していたこともあり、体力的に限界と判断され、緊急帝王切開となりました。
私のように、無痛分娩から帝王切開になる場合は麻酔をそのまま利用できるため、
スムーズに処置ができるそうです。
赤ちゃんが下りてこなかったのは、へその緒をたすき掛けしていたからだと、生まれてからわかりました。
首に巻き付いている場合と違いエコーの画像に映らないため、わからなかったとのこと。
私の場合は予定日を待っていたとしても、帝王切開になる運命だったようです。
無痛分娩を終えて
スムーズなお産ではありませんでしたが、私は無痛分娩を選択して良かったと思っています。
怖かった出産が少し楽しみになるほど不安が軽減され、安心してマタニティライフを過ごすことができました。
出産当日も陣痛の痛みはありましたが、これが麻酔なしだったらどれだけ痛かったんだろう、と思います。
分娩が終わってからは麻酔の影響で顔や体が痒くなり、アレルギー反応なのか首の皮膚がボロボロになりました。
首はあまりないパターンのようですが、痒みを感じる方は多いようです。
私は2人目を産む場合も帝王切開になってしまいますが、選択肢があるならまた無痛分娩を希望したいと思います。
無痛分娩の体験記(Aさんの場合)

私のほかにも、無痛分娩を選択した方の体験談を伺うことができました。
1人目のお子さんの出産後、回復に時間がかかり大変だった経験から、2人目は無痛分娩を選択したAさん。
高齢出産だったため、トラブルが起こった時の安心感を重視し、総合病院で出産することにしました。
「無痛分娩の麻酔は痛い」と聞いていたそうですが、麻酔の痛みはほとんど感じず、子宮口が8cmくらいになるまで陣痛も感じなかったとのこと。
お昼寝できるほどだったというから驚きです。
子宮口が全開になってからは、適切なタイミングでいきめるよう、あえて麻酔を追加せず、数回のいきみで赤ちゃんが産まれました。
出産後もしばらく麻酔が効いているので、後陣痛はほとんどなく、産後の回復の早さも実感されたそうです。
きょうだいがいる家庭だと、入院中はお子さんのフォローが心配なママも多いのではないでしょうか?
Aさんの場合は計画分娩のため、入院前に保育園の持ち物やお迎えについて、
パパと共有できたのがよかったと話していました。
お子さんには、ママがいない間寂しくないよう手紙を準備し、入院中にパパから渡してもらったそうです。
私のように、初産の不安を感じるママだけでなく、経産婦だからこそわかる出産や産後の大変さから、
無痛分娩を選択するママもいるようです。
富山県で対応している病院情報(2025年9月現在)
富山県でも無痛分娩に対応している病院が増えてきています。
富山市民病院のような実績ある病院から地域医療を支える病院まで、選択肢はさまざまです。
予約制の病院もあるため、希望される方は早めに相談してみてくださいね。
富山市
①富山市立富山市民病院
2009年から無痛分娩を行っており、多くの実績がある病院です。2023年は全分娩の約56%を占めています。
産婦人科医+麻酔科医のチーム体制が整っており、計画分娩が中心です。
▶ 富山市立富山市民病院
②吉本レディースクリニック
2016年から無痛分娩を開始し、2024年は初産婦、経産婦ともに約半数が無痛分娩での出産です。
院長をはじめ医師は女性のみなので、男性医師に抵抗のある方にもおすすめです。
計画分娩のみです。
③富山赤十字病院
2023年4月より無痛分娩を行っており、麻酔科医のサポートのもと産婦人科医とチームで対応しています。
計画分娩のみです。
▶ 富山赤十字病院
高岡市
④おとぎの森レディースクリニック
2011年から無痛分娩を行い、2022年には約20%が無痛分娩で出産しています。
分娩時に無痛分娩に切り替えられる場合もありますが、心配な方は計画無痛分娩も可能です。
▶ おとぎの森レディースクリニック
⑤吉江レディースクリニック
基本的には計画分娩のみですが、緊急の場合でも可能な限り対応しています。
総合病院と同様に、麻酔専門医がいます。
▶ 吉江レディースクリニック
黒部市
⑥黒部市民病院
予約制で毎週水曜に無痛分娩を行っています。
主に経産婦が対象です。
▶ 黒部市民病院
まとめ

出産だけでなく、無痛分娩を選ぶことにも不安や迷いはあって当然です。
少し前までは「出産は痛みを我慢するのが当たり前」という風潮がありましたが、出産はママにしかできないこと。
周りの意見に流されず、自分自身が納得いく方法を選択してほしいです。
また、都会だけでなく富山にも選択肢があるということも、伝えたかったことのひとつ。
自分の生活スタイルや、出産への想いに合った病院やプランを探してみてくださいね。
私が妊娠した時は無痛分娩に関する情報が少なく困ったので、この記事が少しでも助けになると嬉しいです。
(ママライターM.K)







