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編集部のライターたちが書き下ろした
富山での子育てに役立つ情報をまとめています

育児
2025.07.02

海水浴シーズン到来! 子どもの水難事故を防ぐために

この夏、水遊びを計画している人も多いのでは?

 

自然が身近な富山で、海水浴や川遊びは気軽に楽しめるアクティビティである一方、準備や心構えが不十分だと思わぬ事故につながる危険性も。
富山県内での海水浴中の死者は近年ゼロとなっていますが、用水、プール、河川などを含めた水難事故全体でみると2023年の死者は30人で、沖縄、東京、兵庫に次いで多い状況にあります
※警察庁「令和5年における水難の概況等」より

 

今回は子連れでの海水浴を中心とした水遊びについて、安全に楽しむために保護者が知っておくべきリスクや対処方法、必要な装備をご紹介します。

 

 

 

1.そもそも泳いでよい場所か確認

 

まず、海ならどこでも泳いでよいわけではありません。
開設された海水浴場」であることが大前提です。
開設された海水浴場には、夏期の一定期間、事故の際の通報や救助、応急手当ができるライフセーバーや監視員が配置されます。
また、水上オートバイなどとの衝突を避けるために、泳ぐ人のみが立ち入れる「遊泳区域」が設けられ、ブイやネットで区切られます。

 

中には「ライフセーバー」や「監視員」がいない海水浴場もあります。事前に自治体のホームページなどで海水浴場に関する最新情報を確認し、必ず監視する人がいる場所、時間帯で楽しむようにしましょう。
開設期間外や開設を取りやめた海水浴場では、監視する人がいないために事故の通報や救助が遅れる可能性があるので、利用を控えてください。
出かける前に必ず確認を!

 

 

 

2.ライフジャケットを着用し、子どもから絶対に目を離さず手の届くところに

 

体格に合ったライフジャケットを準備し、正しく着用しましょう。

 

海水浴でライフジャケット? と思われるかもしれませんが、子どもは波打ち際でも足をすくわれて溺れたり、一波で10m以上も沖に流されたりすることがあります。
ライフジャケットを着用していれば、溺れそうなときに浮くのを助けてくれ、呼吸の確保がしやすくなります。事故の際の着用者の生存率は約85%ですが、非着用者については約50%まで低くなります
海はもちろん、川や池など水辺に行く際は必ず着用してください。
※海上保安庁「令和6年海難の現況と対策」データ参照

 

子どもは体が小さく落水時に脱げやすいため、股ベルトがあるタイプを選びましょう。着用前には破れたり壊れたりしていないか確認を。
なお、浮き輪はあくまで「フロート遊具」であり、ライフジャケット代わりにはなりません!

 

海へは大人が先に入り、沖の深い側にいるようにして、子どもから絶対に目を離さず手の届くところにいるようにしましょう。フロート遊具は年齢に合ったサイズを使い、大人が持った状態で遊びます。海から上がるときは子どもが先に、大人は後にしてください。
遊具やサンダルが流されても、決して追わないように。
また、テントなどの準備や後片付け中に子どもが流される事故が発生しています。陸にいるときも子どもが海に近づかないように、常に目を離さず手の届くところで一緒に行動しましょう。

 

 

<富山県民対象ライフジャケット購入助成制度>

富山ライフセービングクラブでは、富山県在住者を対象にライフジャケットの購入費用1着あたり2,000円(2,000円未満の場合はその金額)を助成しています。3カ月以内の購入レシートまたは購入履歴がわかるものと、着用している写真を申請フォーム(https://form.run/@lifejacket)から送信すればOK。詳しくはHP(https://toyama-lsc.com/)をご確認ください。

 

 

 

3.天候・波・潮流を把握し、泳いでよいかの判断を

 

 

遊泳に適した海の状態は
・平穏な波
・無風、あるいは海から陸に向かって弱い風が吹くとき
であり、気象条件や時間帯によっては危険な状況もあります。天候・波・潮流について、以下のポイントを確認しましょう。

 

●雷雨・強風・高波などの予報・予兆がないか
遊泳中に悪天候になると、落雷に遭ったり、波にさらわれたりする危険性が高くなります。
特に夏は晴天だったとしても、数十分後に嵐になることも。事前に天気予報をチェックし、現地でも急に空が暗くなる、積乱雲が立ち上る、風が強くなるといった天候が急変する予兆があれば、すぐに遊びを切り上げて屋内に退避を。

 

●潮の満ち引き、風と波の様子に気を配ろう
岩場に渡って遊んでいたところ、潮が満ちて砂浜に戻れなくなる事故が発生しています。事前に満潮時刻を調べておきましょう。
風は、昼間は海から陸へ吹くことが多いですが、気圧配置や地形によっては陸から海へ吹き、風速2m/sでも瞬く間に沖へ流されることがあります。特にフロート遊具は風の影響を受けやすいため、風が強いと感じたら使用を控えましょう
波の高さは天気予報で1mと言われていても、1,000回に1回は2m近い波が発生する可能性があり、油断は禁物です。

 

●離岸流(りがんりゅう)に注意
離岸流とは、沖に向かう強い流れのことで、いったん巻き込まれると競泳選手でも流れに逆らって泳ぐのは難しいと言われます。
幅10~30m程度とされ、沖に流された場合は海岸と平行に泳いで離岸流から脱するか、落ち着いて楽な姿勢で救助を待ちましょう。
離岸流以外にも地形や風、潮の満ち引きなどによって流れが速くなる場所があるので、注意が必要です。

 

 

 

4.危険な海洋生物や熱中症に注意

富山湾周辺は8月15日の旧盆前後からクラゲが多くなるといわれます。クラゲなど危険な生物に刺されるなどした場合はすぐに海から出て、医療機関を受診してください。
水の中であっても熱中症に要注意。こまめに水分補給し、体調がすぐれないときは海に入らないようにしましょう。また、日差しが強く、砂浜はやけどするほど熱いため、帽子、日焼け止め、サンダルも必須です。
危険生物や紫外線から体を守るために、ウエットスーツやラッシュガードの着用も効果的です。

 

 

 

5.危険が迫ったら呼吸の確保と「助けてサイン」

離岸流に流された、足がつった、クラゲに刺されたなど身の危険を感じたら、まずは落ち着いて浮き、呼吸の確保を。呼吸が確保できたらライフジャケットに付いた笛を吹いたり手を振ったりして、周囲の人に救助を求める「助けてサイン」を送りましょう。

 

 

 

6.溺れた人を見たら118番通報

救助が必要な人を見つけたら、無理に追いかけず、速やかに近くの監視員やライフセーバーに知らせ、118番(海上保安庁)に通報しましょう。

 

 

 

このほかにも知っておくと役立つ情報は、海上保安庁が開設している「ウォーターセーフティガイド」をご覧ください。
海上保安庁ウォーターセーフティガイドはこちら→https://www6.kaiho.mlit.go.jp/watersafety/

 

知識と装備を万全にして、楽しい思い出を作ってくださいね。

 

協力:海上保安庁

(ライターY.I)