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ヘルスケア2020.07.07

【健康Q&A 小児科】水いぼ

妊娠、出産、子供の病気…その都度悩みがたくさん出てくると思います。そんな気になる悩みを産婦人科・小児科・小児歯科の各先生方にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「健康相談室」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

 

ご相談内容
プールの季節になりますが、水いぼにうつるのが心配です。予防法はありますか。
治療はどの方法がよいのでしょうか?

 

水いぼとは?
水いぼはウイルスが原因で起こる皮膚感染症で、医学用語では伝染性軟属腫と言います。胸やお腹などの皮膚の薄いところや、脇の下、肘・膝などのこすれるところにできやすく、通常は1から5㎜程度の光沢のあるいぼです。大きくなると中央にくぼみを持つようになり、その中のある白い芯のような部分にウイルスが多く含まれています。

水いぼ自体はかゆみがなくても周囲に乾燥肌などがあると掻き壊してしまい、いぼの中にあるウイルスが周囲に出て、掻き跡などに新たに感染して広がっていきます。

ウイルスに感染してから症状がでるまでの潜伏期間は2週間から50日程度あるので、治療して一旦水いぼがよくなっても他の部位にまた出てくることもあります。

アトピー性皮膚炎があり肌の弱いお子さんでは掻破により全身に広がり、100個以上に増えてしまうこともあります。

 

プールと水いぼ
今までは保育園や幼稚園では水いぼがある子どもはプールに入れないことが多かったかもしれません。しかし、昨年小児皮膚科学会等でプールに関する統一見解が出されました。それによると「水いぼはプールの水ではうつることはありませんのでプールに入っても構いません。ただし、タオル、水着、浮き輪、ビート板などを介してうつることはありますので、これらの共有はできるだけ避けるようにしましょう」となりました。

また、肌が露出している部分に水いぼがある場合は子どもの皮膚同士の接触でうつる可能性がありますので水をはじくタイプの絆創膏などで覆って、まわりの子どもに配慮する必要があります。

以前のような「水いぼの子どもはプール禁止」というのは行き過ぎた考えです。

 

治療法は
水いぼは通常6カ月から3年ほどで自然治癒するとされていますが、個人差が大きくいつ治るかを予測することは難しいです。治療としては専用のピンセットでつまみとるのが最も確実で早く治す方法です。しかし、この方法は痛みを伴うため、幼児では1〜2個であれば我慢できることがあっても数個以上となると嫌がって泣き出して抵抗します。無理やり取ると、次からは絶対に容易には取らせてくれず、数人で押さえつけて取ることもあり、お互いに汗まみれになり大変な労力を要することになります。さらに無理やりの処置で病院恐怖症の子どもを作ってしまうことにもなりかねません。

このため以前は取らずに自然によくなることを選択する先生が多かったように思われます。また、小児科の先生の方が皮膚科の先生よりこの傾向が強いと考えられます。

他の方法として魚の目に使用するスピール膏を使いふやかして除去する方法、硝酸銀をペーストしていぼを焼く方法、イソジンなどで消毒する方法などがあります。また、ハトムギが含まれる漢方薬ヨクイニンを内服する治療もあります。しかし、いずれの方法も時間がかかったりして確実ではなく根気も必要であり、万人に勧められるものではありません。

2年ほど前から水いぼを取る時にリドカインという麻酔のテープを貼り、痛みを和らげて取る方法が健康保険で認められるようになりました。これはピンセットでつまみ取る1時間ほど前にいぼの上に密着させてテープを貼り、直前にはがして皮膚の局所に麻酔が効いた状態で水いぼを取る方法です。これにより痛みを軽減することができるので、以前は痛みでできなかった子どもにも治療できるようになりました。

ただし、痛みの感じ方には個人差があり、処置すること自体に恐怖を覚えるお子さんには他の治療法を選択することもあります。

 

予防法は?
水いぼは元々乾燥肌があったり、アトピー性皮膚炎があるとバリア機能の弱まっている部位から感染すると言われています。適切なスキンケアを行い、皮膚を清潔で健康な状態に保つことが感染の予防になると思われます。湿疹があり、皮膚を掻いているようであれば適切な軟膏などを使いあらかじめ治療しておきましょう。プールから出た後などは体をシャワーでよく洗い流し、保湿剤を塗るなどのケアが大切です。

(2014夏vol.49号掲載)

おのうえこどもクリニック 尾上 洋一先生

平成元年富山医科薬科大学(現・富山大学)医学部卒業、同年小児科医局入局。平成14年から富山県立中央病院救命センター科、小児科に勤務し、平成18年おのうえこどもクリニックを開業する。医学博士。日本小児科学会専門医。日本アレルギー学会専門医。

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