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育児2021.08.31

【kids Q&A】夫婦の子育て方針の違い

発達、しつけ、睡眠…子育てをしていると悩みがつきませんよね。
幼児の子育ての悩みを専門家にお聞きしました。
このページは、はっぴーママ富山版に掲載している「ようこそ! こどものせかいへ」の過去に掲載した記事の中から抜粋してお届けします。

お悩み ● 3歳児・8歳児のママより
夫は姉妹に対する扱いに差があり、私とも叱り方や育児の考え方が違っていて困るのですが、頑固なので言うことを聞いてくれません。よい方法はありますか。

 

違いがあるのが自然
子育て方針が完全に一致するご家庭は、なかなかないかもしれません。多かれ少なかれ考え方の違いはあるのではないでしょうか。
子育て方針には、親自身の育てられ方も影響します。例えば、長男だからと厳しく育てられたり、男兄弟しかおらず姉妹の関係はわかりにくかったりといったことです。自分はこんなふうに育てられたからそのやり方でよいという思いが、頑固にさせる面もあるでしょう。これは、お母さん側にも言えることです。
経験していないことは、イメージしにくいのです。

気持ちを聞いてほしい
実は、子育ての方針の違いより、頑固で聞く耳を持たないといったお父さんの態度に憤りを感じるのではないでしょうか。そう感じるのは、わかってほしいのにわかってくれないというもどかしさからだと思います。夫婦だったら言わなくても察してほしい、共感してほしいと思うかもしれませんが、なかなか難しいものです。だからこそ、互いをわかり合うためには、本音で話し合うことが大切です。
ですが、本音で話すとついつい感情的になることもあるでしょう。すると、内容より感情に反応してしまい、売り言葉に買い言葉になります。そして、余裕がないと自分を守って相手を責めることが多くなります。
ヒートアップしすぎた時は、ちょっと間をとって互いにクールダウンし、自分や相手の気持ちを立ち止まって考えてから話す方法もあると思います。お茶を飲んでほっとしてからなんてのもいいかもしれません。
また、自分の言うとおりにしてほしいという態度だと、相手は受け入れにくいでしょう。話し合いは勝負ではないのです。言い負かされても、納得していないと、実際の行動には結びつきません。話に耳を傾け、どんな思いがあるのか知りたい、教えてほしいという態度を示すと、相手は受け入れてもらえると感じ、正直に思いを話して協力しようという気持ちにつながります。
普段から何気ない会話を交わし、相手のことを知ろうと心がけると、子育てのことを気軽に話し合えるタイミングが自然と見えてくると思います。

互いのよさを生かして
もしかしたら、お父さんは子どもの年齢に合わせてしつけを変えているだけなのかもしれません。ですが、よかれと思っているやり方が、姉妹の扱いに差があるように見え、お子さんにとって愛されていないと感じるようでしたら、悲しいことです。
親として、条件付き、限定的な愛、「~したら愛してあげる」「~できたらほめてあげる」ではなく、ありのままのわが子を受け止めて認め、見返りを求めない無償の愛が根本にあることが大切だと思います。愛された経験が、自分を信じ前に進む力や、他者を愛する心につながるからです。本当はどちらのお子さんのことも愛しているということだけは、伝わってほしいと願っています。
そして、お父さんの持ち味、お母さんの持ち味、両方があるからよいのだと思います。違っているからこそ、互いの理解に努め協力し尊重し合う、そんな姿を見せることが、何よりの子育てになるのではないでしょうか。

(2016夏vol.57号掲載)

開 仁志先生

金沢星稜大学 人間科学部こども学科教授

小学校、幼稚園、富山短期大学、富山国際大学教員を経て現職。富山大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。南砺市在住。
●専門分野 保育学(保育者養成)
●担当授業 保育者論、幼児教育実習

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