子育て 小学1〜3年 小学4〜6年

「動けない」「抱っこして」は疲れのサイン? 夏休み明けの小学1年生への寄り添い方

わが家の息子は、保育園の年長の頃には自分でできることが増え、頼もしい姿をたくさん見せてくれるようになりました。ところが、小学1年生になってからは帰宅後に機嫌が悪くなったり、宿題を前にぐったりしたりする姿が見られるようになりました。その姿を見て、私は「学校では大丈夫なのかな」と戸惑いました。


このような甘えや不機嫌は、学校で1日をがんばって過ごした後の疲れのサインかもしれません。


今回は、私の元保育士としての経験と、息子の入学後の様子をもとに、疲れている子どもへの寄り添い方を紹介します。

小学1年生は「一人でがんばる時間」が増える

保育園の頃は、登園から降園まで大人と一緒でした。ところが小学生になると、朝、玄関を出てから下校するまで、保護者がそばにいない時間が増えます。自分で周りを見て、考えて行動する場面も多くなります。


学校では、決められた時間に合わせて支度をし、長い時間座って話を聞きます。友達や上級生、先生など、関わる人も一気に増えます。
新しいルールを覚えながら大勢の中で過ごすだけでも、子どもは思っている以上に気を張っているのかもしれません。


実際に、子どもを同じ保育園に通わせていたママ友からも「朝、学校へ行く前に泣いている」「帰宅後は怒りっぽくなる」といった話を聞きました。新しい生活についていこうとがんばっているのは、息子だけではないのだと感じました。

甘えや不機嫌は、疲れのサインかもしれない

入学後、わが家でよく目にしたのは、帰宅しても玄関からなかなか動けない息子の姿です。ランドセルを背負ったまま座り込み、「宿題やりたくないなぁ……」とつぶやいたり、「抱っこして部屋まで連れて行って」と言ったりすることもありました。


親としては、帰宅したら自分のものを片付け、宿題に取り組む習慣をつけてほしいと思います。
特に入学したばかりの時期は、「最初こそ、きちんとさせなければ」と焦りやすいものです。
しかし、帰ってきたばかりの子どもにすべてさせようとすると、子どもは「疲れているからやりたくない」と抵抗し、親は「最初が肝心なのに、どうしてやらないの」と言い、お互いにいら立ってしまうこともあります。

疲れた気持ちに共感し、待ってみる

私が保育士だった頃、研修で子どものペースを大切にする関わり方を学びました。子どもの気持ちが高ぶっているときはまずそばに寄り添い、自分から次の行動に移れるように見守ることを、保育の現場でも大切にしていました。


入学後の息子にも、最初は「ランドセルを片付けよう」「宿題をしよう」と何度も声をかけていました。しかし、声をかけるほど息子のいら立ちは強くなり、家族に八つ当たりすることも増えました。
そこで、保育の現場で学んだ関わり方を、家庭でも取り入れることにしました。


玄関で座り込む息子に、「小学校、がんばったね。おやつを用意して待っているね」と頭をなでながら伝え、先に部屋へ戻りました。息子に自分で気持ちを切り替える時間をつくらせたいと考えたからです。


しばらくすると、息子は落ち着いた様子でゆっくりと部屋へ入ってきました。おやつを食べるうちに表情が明るくなり、学校での出来事を少し話した後、「よし、宿題しよう」と自分から動き出しました。


大人でも、疲れているときに「あれは終わった?」「次はこれをして」と続けて言われると、わかっていても動き出しにくいことがあります。子どももきっと同じなのかもしれません。帰宅後すぐに片付けや宿題を促すのではなく、子どもの気持ちを受け止め、動き出せるまで待つことが大切です。まずは「疲れたよね」「今日もがんばったね」と家族に受け止めてもらうことで、安心して気持ちを切り替えやすくなるのだと思います。

できたことを具体的に言葉にする

小学生になると、宿題や持ち物の準備など、翌日までにするべきことが増えます。慣れない学校生活を送りながら、帰宅後の支度まで一人で行うのは、子どもにとって負担が大きいのかもしれません。


そこで私が取り入れたのが、保育の研修で学んだもう一つの関わり方、ペアレント・トレーニングの「25%ルール」です。これは、子どもが課題をすべて終えるのを待たず、取りかかれた段階から、その行動を具体的に認める関わり方です。例えば、「連絡帳を確認し、宿題をすべて終える」までを100%とするなら、連絡帳を出すなど、取りかかれた段階を25%と捉えます。


わが家でも、息子がランドセルを開けたら「準備を始めたね」「自分で連絡帳を出せたね」など、具体的な言葉で認めるようにしました。
宿題や準備をすべて終えてから褒めるのではなく、取りかかろうとした姿や途中の行動に目を向けます。


声をかけると、息子はニコッとうれしそうな表情を見せました。ときには「俺って、全部自分でできてすごい?」と得意げになることもあります。
そんな姿を見ていると、できたことを認める日々の声かけが、少しずつ自信につながっているのかもしれないと感じました。


こうした声かけを続け、息子のペースを見守っているうちに、親子ともに少しずつ帰宅後の流れに慣れていきました。
「帰宅したら、まずランドセルをラックに戻す」「連絡帳や宿題を取り出す」「その日の課題に取り組む」という流れも徐々に身に付いていき、帰宅後のやり取りも入学直後より穏やかになりました。


1学期を通して感じたのは、「もう小学1年生」だからこそ、家ではまず疲れを受け止めることの大切さです。親が何にでも手を貸すのではなく、気持ちが落ち着くのを待ち、最初の一歩を手伝う。
そして、できたことを言葉にして認める。この関わりは、生活のペースが変わる夏休み明けにも意識したいことです。

夏休み明けに向けて、少しずつ学校生活のペースへ

夏休みの終わりが近づくと、親も「学校生活のペースに戻さなくては」と焦りやすくなります。
しかし、「もうすぐ学校だから早くして」と急かすのではなく、普段の生活の中で、朝の支度を少しずつ元の時間に戻していくとよいでしょう。


具体的には、顔を洗う、着替えるといった朝の支度を、登校日の出発時間に合わせます。わが家では、「7時までに着替えられたね。朝の準備、いい感じだね」と、できたことを具体的に伝えながら、学校を意識させ過ぎず、自然に生活の流れを整えます。


また、夏休みの宿題や持ち物を一緒に確認し、「全部そろっているね」「宿題もこれだけがんばったね」と声をかけます。直前に慌てずに済むだけでなく、子どもも達成感や安心感を得られるのではないでしょうか。


このように準備をしていても、夏休み明けは疲れや甘えが見られることもあるかもしれません。そんなときは「久しぶりの学校、がんばったね」と声をかけ、子どもが自分のペースを取り戻すまで、ゆとりを持って見守ることも大切です。


2学期の初日から100%を目指さなくても大丈夫。できたことに目を向けながら、親子で無理なく学校生活のペースを取り戻していけるといいですね。


(ママライターA)